認知症薬について

認知症の薬には現在いろいろな種類があります。

飲み薬を始め、貼付薬もあります。
飲み薬にいたっては、液体やゼリータイプなどもあります。

この認知症薬、全てが同じということではありません。
適応は「アルツハイマー型認知症」、一部は「レビー小体型認知症」となっていますが、種類によって特性があります
基本の作用機序は同じなのですが、種類によって別の受容体に作用するものがあったりなどの違いがあり、そこで各薬剤の特徴が出てきます。

アルツハイマー型認知症だからどの薬でもいい、ということではありません
レビー小体型認知症にいたっては、薬の種類と用量の、より慎重な選択が必要になってきます

患者さんの認知症のタイプを見極め、今何が一番の問題点か、今後どのような状態を目指していくかによって、数ある処方薬の中から薬を選択していきます。

以前、しっかりとした意図を持って貼付薬を処方していたことがあるのですが、
ある薬剤師さんに「認知症薬には飲み薬もありますよ」と、ご丁寧に電話がかかってきたことがありました。
薬剤師さんは薬のプロのはずです。
それぞれの認知症薬の作用機序には微妙な差があることを当然知っていると思うのですが…。
なぜその薬を選んだのか、その薬剤師さんにはこちらも丁寧に説明させていただきました。

聞いた話なのですが、デイサービスで、ある利用者さんが足に軽い怪我をしてしまったそうです。
そうしたら、他の利用者さんが「はい、絆創膏」といって渡されたのが、認知症の貼付薬だったそうです。
怪我した人は、足にその認知症薬を貼って帰ってきたそうです。
半分笑い話ですが、薬の管理という面から見るととても考えさせられます。
渡した人も認知症だったはずですが、貼付薬を認知症の患者さん一人で管理することはできません。
かならずサポートする人が必要になってきます。
なぜその人は貼付薬を持ち歩いていたのか…。

作用機序を第一に、その人に合いそうな認知症薬を選ぶのですが、
このようなケースにならないように、薬の管理のことも考えて処方をします。
間違えないで毎日使える環境にあるか、飲み忘れない・貼り忘れないで使えるかなど。
1日1回しか飲むタイミングが得られない人もいます。
サポート体制が十分でないと、選択できる薬が限られてしまいます

同じ認知症薬なのに「なぜその薬を選んだのか」「なぜその薬を処方するのか」、診察時にはその根拠を説明するようにしています。

なぜその薬を選んだのか、この薬はどうなのかなど疑問があれば、遠慮なく聞いてください。