真意

人とのコミュニケーションにおいて、真意をくむというのが難しいことがあります。
悪気はないのだけれど誤解されて伝わってしまうみたいな。

先日、H病院のメディカルソーシャルワーカー(MSW)という人から電話がありました。

「そちらに通院されていたAさんですが、現在当院に入院されていまして、退院後は施設に入居されることになりました。」
とのこと。

Aさん(一人暮らし)は当クリニックに外来通院されていたのですが、癌を発症してしまったのですね。
たぶんワクチン複数回接種後に突然発症されたので、ワクチンの影響も否定できません。
手術をされその後比較的落ち着いていたのですが、腫瘍マーカーの上昇などにより再度入院となっていたのです。

で、そのMSWの人は続けてこのように言ってきました。

「施設入居にあたって、本来は他のクリニックに訪問診療を依頼しようと思っていたのですが、患者さんから貴クリニックに訪問診療して欲しいとの強い希望がありました。」

なんかセリフにちょっとイラッとしたというかモヤモヤというか、引っかかるところがあったのですがまずはそこは自分を抑えました。
というか実はこの電話、昼休みの時でご飯食べ終わってちょっとウトウトしてしまって半分寝ぼけていたときにかかってきたのです。自分の判断能力が欠如していると思われ、すぐには反応せず時間をおくことにしました。
施設名とかメモするのも面倒くさいし、間違ったらいけないので、施設情報をFAXしてくださいと言ってひとまず電話を切りました。

施設によっては入所者の方を特定のクリニックに誘導するところもあるのですよね。
特養や老健以外は、本来は入居者の方の希望でクリニックを決めることができます。
それなのにその原則を伝えないで、特定のクリニックに誘導することが当たり前のようにおこなわれています。
多分裏でなんか取引があるのでしょう(すべてではないでしょうが)。
明らかにおかしいことなのですが、こういうことが常態化しています。
ですからその施設もその類いのところかと思ったのです。

で、FAXが届いたのでその施設を調べてみました。

するとその施設のHPにはトップページに
『主治医、ケアマネージャーの継続』
と、ど~んと書かれているじゃないですか。

実際は知りませんけど、表向きは「主治医・訪問診療先は自由に選んで良い」「入居者の希望に添う」であるとうたっているのです。

これをみて、ふつふつと怒りがこみ上げてきました。

「本来は他のクリニックに訪問診療を依頼しようと思っていたのですが…」
のくだりです。

この一言いらないですよね?
ただ「患者さんから希望がありましたので…」と伝えれば良いだけですよね。

このH病院は以前から感じ悪いのですよね。
以前患者さんの受診の件で連携室にかけたときも、すんげぇ感じ悪かったのです。
そのときは看護師さんが対応したのですが、びっくりするくらいかなりひどかったようです。

今回の電話もあまりにも相手のMSWは自然に「本来は他のクリニックに訪問診療依頼をしようと思っていたのですが…」なんて言ってくるものだから、このセリフが「おかしい」「失礼だ」と思うのは自分だけなのか逆に心配になってきてしまいました。

そこで、この一件を看護師さんや事務員さんに話してみたら、「それはおかしい」「失礼だ」ということになったのです。当たり前です。

本当、相手がおかしすぎると、逆に自分がおかしいのではないかと心配になるときがありますね。

そこで腹立った自分は早速H病院の連携室、MSWに電話です。
「本来は他のクリニックに訪問診療依頼をしようと思っていたのですが、なんて、失礼な言い方ですよね?」
「そのくだり、言う必要ありますか?」
「患者さんが希望されているなら、患者さんが希望しているので…だけでいいんじゃないですか?」
「そういうこと言うなら、別に紹介してもらわなくたっていいです。」
「MSWならもっと言い方とか気をつけた方がいいんじゃないですか?」

相手はただただ謝っていましたが、なんも心に響いていないでしょう。
事務的に謝っている感がひしひしと伝わってきました。
そんなことわかっています。半分自分のストレスのはけ口です。ストレス返しです。それでいいんです。
本人は悪意をもって言った訳ではないのでしょう。
ただただ根本というかベースがこういう人なのでしょう。
一般的には失礼なことでも、本人の基準の中では失礼ではないのでしょうね。

しかしこういう人間がMSWということをやっているとなると対外的に影響が出そうですよね。ソーシャルワーカーなのですから外部の人間とたくさんのやりとりがあるはずです。
この人間にだけ文句を言っても何も改善はしません。

病院HPにお問合せ欄があれば送ってやろうかと思ったけど、お問い合わせは電話のみ。
院長に書簡を送ってやろうかと思ったけど、別にこの病院と仲良くしたいわけでもないし、この病院のために?動くのも無駄な労力だと思ってやめました。

対外的に影響が出るなら出ちまえばいい。

自分の受けとめ方の問題?とも思いましたが、H病院のMSWの言葉は「真意」もクソもないですね。
ただただ性格悪いっていうだけの話かもしれません。

で、話はここで終わりではありません。

その後、入院中の患者さん(Aさん)と電話で話しました。
声はお元気そうでした。

すると「自分は訪問診療は特に望んでいない。これまでどおり定期的に通院したい。」というのです。
ならばそうしましょうと言うことで話は終わったかにみえました。
というか関係のない入院先の病院が勝手に訪問診療にするようにしたってこと??

そうしたら次に、その入居予定の施設看護師から電話があったのです。
「入居にあたって、訪問診療にしてもらわないと困る」
とのことなのです。

意味がわかりません。
本人は通院できるというのだし、通院したいと言っているのにです。
というか、現在入院中のH病院(外科)にも、退院後施設入居してからも定期的に通院すると聞いています。

外科に通院できるのですから、こちらにだって通院したっていいじゃないですか。

もうぐちゃぐちゃです。
通院できる人、しかも本人は訪問診療を特に望んでおらず、施設側の都合で無駄に訪問診療に入るのはおかしいです。
患者さんには大変申し訳ないのですが、お断りさせていただきました。
変なことに加担したくないですから。
施設側の主張もおかしいですし、そんなところと関わっていたらおかしなことに巻き込まれそうです。

結局施設としては、24時間相談できるところを確保したいのでしょう。
体調不良時に何かあったときに責任を取りたくない、という気持ちもあるのかもしれません。
ただそれだけです。
患者さん(入居者さん)の気持ちを第一に考えていません。

実は同じような話がつい先日もあったのです。
月1回10年もグルタチオン点滴に通われている90代の方です(ちなみに現在は新規受付は停止していますのであしからず)。
自分で歩くこともできますが、一人暮らしが不安になってきたというので施設に入居されたのですね。

その方も、訪問診療なんて希望していなかったのですが、施設から再三説得されていたようです。
しばらく抵抗されていたようですが、ついになかば強引に契約させられたそうです。
うちには月1回自費点滴のために通院してくるというのに。

こうやって無駄な医療費というものが消費されているのですね。
訪問診療の費用、安くないですからね。
こういう無駄なこと、施設側の都合だかクリニックとの裏の関係があるのだか知りませんが、こんなことで社会保障費を圧迫しています。

ちなみに90代の患者さん、風邪なんてめったにひきませんし、というか、風邪ひいた記憶がありません。
急激な体調不良なんて想像もできないとはいえ、高齢ですから何があるかわかりません。
何かあったときに施設ですべて対応するのが面倒だから?いや、安心だからということで訪問診療を入れたがるのでしょうか。
そんなこといっていたら、世の中全国の高齢者みんなに訪問診療を入れないといけない話になります。

訪問診療とは関係ありませんが、高齢者施設に関してこのようなニュースがありました。

老人ホーム、業者への紹介料高騰 難病100万円超、悪質なケースも―施設の多さ背景・関西

だろうね、という感じでニュースを読みましたが、ここ最近札幌でも癌や難病に特化した施設などができてきています。
そういうのに対応できる施設が意外と少ないから、というのも理由でしょうが、儲かるから、というのも大きいでしょう。
対外的には人のため世のため、と言っているのでしょうが。本当いやらしいです。

2~3分の訪問を30分と見せかけ 診療報酬28億円超を不正請求 有料老人ホーム運営の「サンウェルズ」

訪問看護を利用したりして水増し請求したりしています。
というかこのケースかなりあくどいですが、刑事的な罪に問われたり、行政的なペナルティはないのでしょうか。
ないのだとしたらやったもん勝ちですね。

他のメディアではこの件に関して、「同様の実態はほかの一部の運営会社でも指摘されており、大手のサンウェルズで不正が認定されたことは業界に波紋を広げそうだ。」と書かれています。

とある大手介護グループで、勝手に精神科訪問看護が入っていたケースを、かなり前にブログに書きましたが、あれも完全に食い物にしています。

上記のニュースを含めこんなものは氷山の一角です。
国や行政には徹底的に調査してほしいものです。
(もちろん熱い気持ちでまっとうにやっておられるところも多くありますが)

ここまでで大分長くなってしまいましたが、もう一つお話しを。

診察していると、施設スタッフさんやら施設看護師さんやらから報告を受けます。
ここ最近の状況とか。

こういうとき、とにかく「マイナス」のことしか言わない人がいるんですよね。
特に認知症診療でよく経験するのですが、薬の調整で「○○という困った症状がおさまった」とか良いところもあるのに、悪い部分しか報告してこない。
眠気が強くなったとか、認知機能低下が強くなっているとか。

具体的には、徘徊だとか易怒性・妄想が強く、警察沙汰になることも複数回あった方がおります。
ご家族も疲弊していました。
仕方なく抗精神病薬を使うしかありません。
そこでその困った症状がかなり治まったのです。
もちろん自分も薬漬けにする意図はまったくありませんから、抗精神病薬による眠気・ふらつき・パーキンソン症状などの歩行障害等が出現しないか、副作用が大きく出ていないか毎回必ず確認しながら調整します。

ADLをなるべく犠牲にしないように、それでいて困った症状もある程度落ち着かせるという、いい塩梅に薬を調整していきます。
って書いていますが、そんなうまくいかないこともそりゃあります。
精神症状を抑えるにはある程度の犠牲も致し方ない部分もあります。

ちなみにこのケースでも抗精神病薬の用量は通常量よりもかなり少ない用量でした。
それでも精神症状もかなり落ち着き、夜間も平穏な日々が続くようになったのです。
外来の患者さんですが、歩行状態を見ても悪くはなっていない。
手の振戦もないし、歯車現象(肘がカクカクとスムーズに動かない症状)もまったくない。
ADLを犠牲にせず、うまいこと精神症状を抑えられている状況かと思われました。
できていた料理ができなくなってしまった、というところは犠牲になってしまった部分かもしれませんが、日常の大半が穏やかに過ごせるようになっているのです。
診察時も表情はとっても穏やかで、挨拶などの礼儀もしっかりされているのです。
自分でイスから立ち上がり、自分一人で歩けるのです。
「おしとやかになった」というのがぴったりな表現です。

しかしデイサービスの看護師からの報告は、「活気の低下、意欲の低下」が前面に押し出された報告なのです。

こういう報告をみると正直がっかりしてしまいます。
以前は気持ちがハイな時もありましたから、それが抑えられているので、ハイなときから比べれば活気の低下のように見えるでしょう。
しかしそのハイな状態が「ハイ過ぎる」という感じで病的と思われる状態でしたから、それが抑えられて今の状態が本来の姿ともいえます。

その人にとって普通の状態・本来の姿というのは判断が難しいですが、精神症状が強い方にとって、
・暴言・暴力・妄想などで周囲に影響を及ぼさない
・薬物治療によってADLが犠牲になっていない
のであればうまくコントロールできていると言えるかと思います。

これまた今回報告されてきた人にとっては悪意はないのでしょうが、「見ている視点が違う」というか、ちょっとがっかりしてしまいます。
どっちが正しいということではないのかもしれませんが、自分は「いいところ探し」をしたい人間です。

診察していても、落ち着いていれば自分は患者さんにはとにかく良いことを言います。
「心臓に雑音ありませんね」とか「脈も落ち着いていますね」とか「血圧落ち着いていますね」とか「体あったかいですね、代謝がいいんですね」とか些細なことでいいのです。
良いところを一つでも言ってもらえると、それだけでも元気が出る場合もあるのです。
心の栄養になります。自信を持ってもらえます。
心雑音もあって不整脈もちょっとあって…となると「雑音ありませんね」とか「脈も落ち着いていますね」とかウソは言えませんから困ってしまうのですが、「うん、大丈夫」と大雑把に褒める作戦に移行します。
ここだけの話。
になっていないけど。
あるいは肺の音に振り替えて、「肺音問題ないですね」とか。
「年齢に見えないですね。若いですね。」作戦に出ることもあります。
作戦というわけではなく、本当にそう思っているから言っているだけですけど。
でもその人の良いことを言葉に出して伝える努力はしています。

もちろん医療の現場において楽観的すぎるのもよくありませんし、些細な変化が重大な疾患の予兆だったなんてこともありますから、細かい変化に気づくことも大事です。

明らかに一日中傾眠が強くなった、というのならもちろんそれは報告してもらわなければなりません。
抗精神病薬のせいで歩けなくなった、傾眠が強くなって食事が取れなくなったなど、です。

ですから一人だけの視点に頼るのではなく、いろんな人の視点、いろんな目があった方が良いのは確かです。
ある人の視点では気づかなかったことが、他の人の視点では気づいた、なんてこともあるのですから。
しかしその視点が、真反対の人だと、正直キツいです。

日常生活には大きな問題が起きていないのに、とにかくマイナスのことだけしか目にいかない人っているんですよね…。
何も一切犠牲にせず、困った症状だけをきれいになくす、なんて神業、普通の日常の保険診療でそんなことできません。
そんな報告しかしてこないなら、正直他の腕のいい先生に診てもらってください、と言いたくなってしまいます。

特に精神薬の調整というものは、患者さん本人だけでなくその周囲の人々(特に世話をする家族、あるいは入居している施設スタッフさん等)のことも考えて調整していかなければなりません。
すべてにとって100点満点の調整なんて至難の業です。
文句ばかり言ってないで、できるのならお前がやってみぃ、と言いたくなってしまいます。

今回のケースでは、ご家族は特に何も困っておらず、逆に平穏な日々が続くようになって良かったのだと思います。
自分としても、ADLを犠牲にせず、うまいこと精神症状を抑えられ、うまく調整できているケースだと思っていました。

しかしそれを「活気の低下、意欲の低下」としてデイサービス看護師から報告されてしまうのです。
疲れがどっと出る瞬間です。

まぁ元々少ない用量でしたが、薬は減らせるところまで減らしたい気持ちはありますから、今回もさらに減薬して調整はしましたけど、これで精神症状が復活してしまうようなら戻すしかありません。

今回の報告も決して悪意があるわけではないのでしょう。
その人の真意としては、ただただ現状を伝えているだけなのでしょう。
H病院の件にしろ、「自分の受け取り方の問題」もあるかもしれません。
(いや、H病院のやつはやっぱりかなり性格悪いわ)

どっちが良い・悪いと言うことではなくて、相性の問題かもしれませんね。
波長が合わないのでしょう。

こんな時は「イラッ」とすることもありますが、一呼吸置いて真意をくみ取る努力もしなければなりませんね。一応。
とはいえ自分はまだまだ大人じゃないですから、文句あるなら他をあたれ、と心の中で思ってしまいます。

波長が合わない人と一緒にいると、自分の波長が狂ってきて体調不良の原因になります。
ですから付き合う人を選ばなければなりません。
というか、プライベートな人間関係でいえば、波長が合わない人とは自然と距離が遠くなるでしょう。
しかし仕事上ではそういうわけにもいかずつらいですよね。
ストレスでしかありません。
思い切って仕事を変えるとか、あるいは考え方など自分の中での処理の方法を変えていくしかないでしょうね。

「活気の低下、意欲の低下」の報告を受け疲れがどっと出た、と書きましたが、それにとらわれるとエネルギーを奪われます
素早い切り替え、考え方の処理をしなければなりません。

けれど、「考え方」とか「思い」とかをあなどってはいけません
今すぐ、というわけにはいかないかもしれませんが必ず良い世界・環境にいけるはずです。

無駄に友達がたくさんいればいいという話ではありません。
その中に波長の合わない人がいれば、足を引っ張られるだけです。
なんなら波長の合わない人と無理矢理付き合うくらいなら、孤独の方がまだましです。

で、いま気をつけて欲しいのがシェディングで悩む人々です。
特に強烈なワクチン臭がしたときは、正直イラッと怒りの気持ちがわきます。
でもすぐにその感情を手放してください。忘れてください。
じゃないと本当に相手?の思うつぼになります。
未接種者の方が先にやられてしまう、という事態になりかねません。
ある意味今は精神的な修行期間とも言えるかもしれませんね。

こんなことで感情を占められ、支配されるのはバカらしいです。
そんな時間があったらもっと前向きな勉強をした方がよっぽどましですね。

一応大人ですから、モヤモヤしながらも周囲に合わせなければならないときもありますが、無理矢理波長まで合わせることのないように気をつけてください。