自慢じゃないですか、自分は心が疲れた経験がありません。
嫌なこと、つらいことなどはもちろんありますが、すぐに気持ちを切り替えてしまうし、引きずることがまずありません。
そして「心が疲れた」と感じたことも正直記憶がありません。
しかし珍しく先日「心が疲れる」という経験をしました。
これは完全自分の責任であり、正直どうでもいい話です。
みなさんのお役に立てる話でもなんでもありません。
超暇で時間が余っている人だけ読んでください。
お盆休みの雑談だと思って暇な人はお付き合いください。
8月のある日、ある人を見送りに羽田空港第3ターミナルへ行く予定がありました。
しかし担当患者さんが老衰で亡くなりそうな状況だったのですね。
ですので見送りは行かない予定でした。
ちなみにこの患者さんは10年以上の付き合いで、自分に何か用事があるときは友人の医師に待機をお願いすることでできたのですが、やはり自分が看取るべきだと思い、自分の予定はキャンセルするつもりでした。
というか、実際羽田に行く予定だった夕方の飛行機のチケットをキャンセルしました。
その日は夕方に羽田空港に行って、第3ターミナル直結のホテルに宿泊し、翌朝の早朝に見送る予定だったのです。
で、夕方ネットからチケットをキャンセルした直後に、その患者さんが入居している施設から連絡があり、「亡くなったようです」とのこと。
すぐに施設に向かい看取りをさせていただきました。
この話もまたいつかブログに書きたいと思うのですが、本当に理想的な老衰だったなと思います。
眠るように永眠されました。
そして看取りが終わり死亡診断書も作成したところで、「今からでも間に合うかもしれない」「最終の便で羽田に行けるかもしれない」と思い立ったのです。
世間は夏休みの時期だし、飛行機は結構いっぱいでしたが何とか確保できました。
行くつもりしていなかったので何も準備していなかったし、大急ぎです。
車にもガソリン入れたり。すでに汗だくです。
無事飛行機に搭乗し、羽田に着いて、コンビニで飲物買ってホテルにチェックイン。
すでに23時をゆうに回っていましたが、第3ターミナルって眠らない空港なんですね。
初めて出発ゲート行ったんですが、夜中に出発する飛行機もたくさんあるから人がいっぱいです。
シャワーはいって汗流して休むかな、と思ったら、携帯がない!!
しかもクリニックの携帯の方です(しかもガラケー)。
やばいやばいやばい、です。
飛行機の座席に座ったときに携帯を確認しポケットに入れたことは覚えています。
そういえば着陸したときに、「ゴトッ」とものが落ちた音がしてました。
てっきり後ろの人かと思って気にしていなかったのですが、「あの音、オレだったんだ」と思いました。
あのときに携帯がポケットから落ちたんだと。
気づいたときにはすでに0時を回っています。
絶対国内線のスタッフなんて残っているわけありません。
空港内連絡バス乗って第一ターミナルに行っても無駄だろうと思い、眠らない第3ターミナルのJALのスタッフに聞いてみました。
シャワー上がりで、自分で持ってきた半袖短パンのパジャマ着て、汗だくで(急いでたから)。
端から見たらヤバイ奴です。
誰も近寄ろうと思わないでしょう。
きっと最終の飛行機だし、もうその飛行機は今晩は飛ばないだろうから、そのまま駐機スポットに翌朝までいるかもしれません。
ワンチャン心優しいスタッフが暗い飛行機の中を探しに行ってくれるかもしれません(期待はもちろんできませんでしたが…)。
で、第3ターミナルにいたJALのスタッフはどこかに連絡したりしてくれていました。
しかし結局は連絡がつかなかったのか、翌朝落とし物の問い合わせの電話に連絡するようにと教えられただけ…。
だよね。
かすかな期待も打ち砕かれました。
そんな奇跡はそう簡単に起きません。
ショボーンとして、ホテルの部屋に戻りました。
でも頭の中はフル回転です。
乗ってきた飛行機は「16番スポット」に駐機しました(なぜかそこははっきりと覚えていました)。
その飛行機が翌朝どこに飛び立つのか。
(携帯と飛行機が)どこかに飛んで行ってしまう前に何とか回収しないといけません。
また札幌に行くんだったら、自分より一足先に「携帯だけ」が札幌に帰ることになるからまだマシですけど、そこでも見つけられなかったらまたすれ違いになってしまします。
札幌と羽田を往復する機体は、羽田ー大阪、羽田ー福岡、羽田ー沖縄の路線も飛んでいたりします。
1日の内で同じところだけを往復するだけでなく、例えば羽田ー大阪を往復したあと、羽田から今度は札幌に向かうなんてこともあります。
さすがにさっき乗ってきた機体が、翌日どこに向かうのかはわかりません。
しかしJALの時刻表とか運行予定表をスマホでチェックしました。
札幌便も大阪便も福岡便も沖縄便もすべて。
すると、朝の8時15分に16番スポットから札幌行きの飛行機が出発することをつかんだのです。
乗ってきた飛行機が整備とかにいくのでなければ、たぶん翌朝は自分が乗ってきた飛行機はまた札幌に向かうのかもしれません。
しかし確証はありません。
違うところに行く可能性もあります。
となるとやはりどこかに飛んで行ってしまう前に朝一で探してもらわないといけません。
で、今度は国内線のJALのカウンターが何時に開くのかを調べたのですね。
すると5時30分でした。
「よしっ、5時30分に第一ターミナルのJALのカウンターに行くぞ」と気合いを入れました。
時間はすでに夜中の1時を回っています。
携帯が絶対に見つかる確証はありません。
でも翌朝5時30分までは何もできません。
だけど少しでも寝なければなりません。
こんな中途半端で宙ぶらりんな状態で寝れるわけもなく、でも寝なきゃいけない。
寝なきゃいけないのに寝れない。
マジで心が疲れました。
そう、「心が疲れた」ってこんなことでした。
寝れるわけないっしょ、と思いながら、実は数時間寝てました。
5時30に行くと意気込んでいたのに、15分くらい遅れてしまいました。
まさか朝早く空港ターミナル間の連絡バスに乗るとは思いませんでした。
朝日がまぶしかったです。
でも「何やってんだろ、オレ」とも思いました。
で、JALのカウンターに向かい、事情を説明し、当日の搭乗券を見せて、たぶんこの座席の横辺りにあると伝えました。
やはりすぐに誰かが飛行機の中にいけるわけもなく、見つかったら連絡します、とのことでした。
で、また連絡バス乗ってホテルにとんぼ返り。
朝ってすがすがしいなぁと思いながら。
でも心はモヤモヤのままです。
自分の読み通り自分が昨晩乗ってきた飛行機が8時15分発の札幌行きとなるならば、きっと1時間前くらいにスタッフとか準備するんだろうなぁとか思っていました。
となると見つかるのは7時15分くらいかなぁとか。
そうしたら本当に7時15分くらいに電話かかってきて、「携帯見つかりました」って。
こんなにほっとしたことないですね。
いや今までも数々の「ほっ」は経験していると思いますが、久々の「ほっ」でした。
朝8時過ぎ、第3ターミナルで人を見送り、10時30分の飛行機で自分は札幌にトンボ返りの予定でした。
ですから携帯もJALのカウンターにそのまま預かっていてもらいました。
札幌に帰るときJALのカウンターに行ったら、朝に対応してくれたスタッフがいて、まるで警察の証拠品みたいにビニール袋に入れられた携帯をだしてくれました。
ありがたやありがたや、です。
あんな中途半端な状態で絶対に寝れないだろうと自分も思っていたのですが、なんだかんだいって寝ちゃいました。
そんな自分にもびっくりですが、夕方らからドタバタ続きでさすがにちょっと疲れました。
しかし携帯はきっとそこにあるだろうに確認にいけないもどかしさ。
その中で寝なければならないなんてちょっと拷問です。
ストラップも何も付けていないガラケーでしたが、こりゃもう首からぶら下げないとダメかなと思いました。
しないけど。
それより何より、第3ターミナルの人の多さにびっくりしました。
こんなにも多くの人が外国を行き来しているのかと。
電光掲示板見てもひっきりなしにいろんな国へ飛行機が飛び立ってます。
外国なんて久しく行っていない自分は(10年以上国外に出ていません…)良い刺激でした。
なんだかこれから自分が外国に行くような気分で。
でも行き先は札幌なんですけど…。
いろんな国の多くの人を目の当たりにすると、人間ってちっぽけな存在だなぁとも思ってしまいました。
ちなみにアジア系の航空会社のパイロットとCAさんとすれ違ったのですけど、誰か結構なワクチン臭がしました。
ドイツ(たぶんルフトハンザ航空)のパイロットとCAさんともすれ違ったのですけどあまり感じませんでした。
どうでも良い中途半端な情報です。
ターミナル間の連絡バスはクーラー効いているんですけど、早朝乗ったときたまたま座った座席のところの窓が少し開いていたんですね。
誰かくっさい人がいたのかもしれません。
ひょっとしてワクチン臭わかる人が開けていたりして。
ひょんなことから空港内を行ったり来たりする羽目になりましたが、多くの人々とすれ違いました。
どうしてもニオイチェックしてしまうのですが、やはりみんながみんな臭うわけでもなく、本当ごく一部の人に超強烈な人がいる感じです。
携帯なくしてあたふたしましたが、看取りもできたし見送りもできたし、携帯も見つかったし、国際線ターミナルで良い刺激受けたし、まぁ良しとしますか。
かなりの一人ドタバタ劇でしたが。
日中の飛行機だったら、機内清掃で見つけてくれる可能性は高いとは思いますが、出発前の清掃の時見つけられなかったらどこか違うところに飛んで行ってしまった可能性があります。
それはそれでやっかいです。
最終の飛行機で翌朝まで駐機スポットにとどまっていてくれたから無事手もとに早めに戻ってきたようなものです。
ある意味ツイていたのかもしれません。
しかも羽田直結のホテルだからこそ、朝一でカウンターにも行けたし。
これ、電話だったらつながらなかったかもしれないし(通常のお問い合わせは当然営業時間外です)。
なんだかんだいってやはりツイていたのかもしれません。
しかし皆様、飛行機にお乗りの際はお忘れ物にご注意ください。
