生死

前回「最期」というタイトルでまとまりのない文章を書いてしましましたが、メインは久坂部羊先生の「人間の死に方 医者だった父の、多くを望まない最期」という本を紹介しただけだったので勘弁してください。

すでに親を看取った人、これからの人いろいろいるかと思いますが、最期を迎えるうえで参考になる部分はあるかと思います。
もちろん自分自身がその段階になったときの参考にもなるでしょう。

で、前回の「最期」のブログを読んでメールをいただいた方がおりますのでご紹介したいと思います。


ブログ「最期」を拝読して、私の祖母(母方)の最期を思い出しました。
私の母が自宅で介護し、最期を看取ったのですが、母はスパルタでした。
動けるうちは、ポータブルトイレを置き、「自力で排泄するように。」と。
祖母「紙オムツがラクでええんやけど。」
母「1日中、何もしとらんのやから、それぐらい動け。」
母が私に言うには、「紙オムツだと、本人の生きる気力が急速に落ちる。人間、這いつくばってでも、自分の始末は自分でつける気持ちを持たなアカン。」だそうです。
(ちょっと厳しすぎる気もしますが。)

ところで、祖母は複雑な生い立ちで、そのせいか、母を育てるとき、きつく当たったそうです。
介護のため同居してから、母が、「子どもの頃、辛かった。」と責めると、祖母は「すまなかった。」と素直に謝ったそうです。(だからと言って、すぐに許せなかったそうですが。)

ある時、祖母が、「死ぬのは苦しいんやろか。怖いわぁ。」と言うので、母は「心配せんでも、海の潮の満ち引きあるやろ、寄せた波がサーッと引いていくように、楽に死ねる。いつも、そうやって死ねますようにって、思っとったら、必ずそうなる。」と答えたそうです。
その後、祖母はいつもそう思うようにしていたそうです。

86歳になり、いよいよ紙オムツが許されるくらいに、体力が衰えた頃、食事はベッドで自分で食べていました。
ある朝、いつも通り食事をとり、食後のお茶を飲んで、湯呑み茶碗をテーブルに置いた姿勢で、亡くなったそうです。
たまたま別室にいた母が、湯呑みを置く「カチャッ」という音を聞いて、食べ終わったかなと見に行って、祖母の死を知りました。湯呑みを握ったままうつむいて、安らかな顔だったそうです。
お医者さんが「大往生だ。」と褒めてくれたそうです。

祖母から、「信じる者は救われる」の本当の意味を教えられた気がしました。
それと、常々「食べることだけが楽しみや。」「白いご飯が一番うまい。」と言っていたので、最期に食べれてよかったね…と思いました。

正直言って、50代の頃の祖母は、ひがみやすく、きついところもありましたが、年老いて、素直になり、感謝の言葉を口にするようになり、本当にいい老い方、死に方をしたと思います。
娘から昔のことをよく責められ、精神的にも大変な老後だったと思いますが、ちゃんと謝り、人生の始末をつけてから、この世を去っていきました。私のお手本です。

一つの母と娘の最期にまつわる物語です。
いろいろ思うこと、感じる方もいるのではないでしょうか。

厳しく育てられた、など親子の確執(とまで言っていいのかわかりませんが…)がある方のお話しは結構聞きます。
両サイドから最近耳にすることが多いのです。
子の立場だった人、親の立場だった人。
親の立場で、子育ての仕方が間違っていたのではないか、厳しくしすぎたのではないかと反省している方も結構います。
子育ての話になってしまってますが、自分だって立派な親でもなんでもないので、何が正解かとかわかりません。
というか、何が正解かなんてないのでしょう。

自分は子供にあまり干渉しません。
端から見れば放置している、妻に任せっきり、って思われていると思いますけど…(まぁ実際そうなんですけど…)。
子供には何も期待していないし、こうあれ、みたいな枠に当てはめようとはしていません。
ほんと放置。
よく医者の子供は医者になる、みたいなケースが多いようですし、周りもそう期待するのでしょう。
うちの子供も「将来何になりたいか?」なんて誰かに聞かれると、以前は「医者」と答えていたようですが、医者に興味ないことはなんとなく見抜いていました。
あるとき「親に気を遣って言っているだけでしょ?」と聞いたら、「そう」との返事。正直者です。
やっぱり…って感じでした。
でも別に何とも思っていませんし、本当の医療をやろうと思ったら救急だとか一部の科を除いて不可能です。
かといって救急もずっと続けるのも大変です。
本当の医療をやろうと思ったら、医療の本道から外れなければならないと思いますし、名誉を捨てるとか周りから変な目で見られるとか覚悟も必要でしょう。
まやかしの立派な医者になったって、スゲぇとか思えません。
専門医とったり、留学したり、どっかの大きな病院の役職ついたり、それで何でもかんでもガイドラインどおりに診療し、血圧も血液検査も基準値厳格みたいな診療をされたって、それが本当に患者さんのためになっているとは思えませんし、そんな医療を子供がやっていたら、ますます(心の)距離が離れていきそうです。
かといって自分みたいな医者になるのも不憫に思ってしまうところもあるし、だから医者にならない方が良いとさえ思っています。

だから、将来何になるかは、何も期待していないし子供に完全に任せています、
子供がやりたい、なりたいことは応援するつもりです。
そして子供にはあまり干渉しないと書きましたが、もちろん最低限の社会的なルールを逸脱するようなことがあれば、そこは強く干渉します。
今のところはありませんけど(たぶん)。
しかしどう怒るかも難しいですよね。
下手すりゃ子供に警察呼ばれる時代ですから。

何も期待しない、ってすごく楽です。
子育てに限らず、周囲の人間関係にも当てはまりますね。
子供から「人に期待しないこと」の大切さを教えてもらっているようです。

なんか自分の子供のこと書きすぎてしまいました。
脱線です。

冒頭のいただいたメールに戻ります。

ここに描かれている祖母の最期、本当に理想的ですね。
最後ご飯を食べ、湯飲みを握ったままうつむいていたとのこと。
いつもの日常の流れで、突然に電池が切れたかのような最期でした。
なかなかこんな自然に逝けません。

またもう一つ、ある方から動画を紹介していただきました。
(YouTubeのショート動画です)

CoCo壱番屋のちいかわコラボを爆食する84歳ヨシ子

ココイチのカレー(ハンバーグトッピング)を爆食する、ってだけの動画です。
気持ちいいくらいにパクパク食べています。
とても頼もしい84歳です。
(一応杖ついているのですね)

こんなふうに自分の好きなものを食べ、幸せに楽しく年を取っていきたいものです。

しかし、ここで不安な流れがあるかもしれない、という話です。
(実はここからが今回のブログのメイン)

「PHR(パーソナル・ヘルス・レコード)構想」についてご存じの方はいるでしょうか?

『個人の医療情報と健康診断の結果、そしてスマートウォッチから毎日得られる日々の生体データをマイナンバーに集め、国と企業が共有する巨大なプラットフォームを構築する計画』
とされています。

なんのことやらですよね。

個人の健康状態などを国や企業が把握するってことなんです。

それによって、実際にこのようなサービスもすでに始まっています。

『住友生命の健康増進型保険「Vitality」は、個人のPHRデータを見て、運動や健康診断など健康増進への取り組みが多い加入者は保険料を最大30%割引き、逆に取り組みが悪ければ保険料が引き上げられる』

という差別サービスです(https://vitality.sumitomolife.co.jp/)。

保険料だけでなく、自分の健康に関するデータを差し出し、健康になる努力をすればいろんな割引きやサービスなどが用意されているようです。

『「善意の割引」に見える中で、「健康データを差し出さない国民や、不摂生な人間には高いコストを課す」という社会的選別が始まっている』

と書かれています。
ってなんの本に?ですよね。

堤未果の『すばらしい新世界』 スマホで赤ちゃんを注文する日

これも絶対に必読の書です。
上記のようなことだけでなく、生から死までに関わること、現在世の中で起きていること、これから起きるであろうことが書かれています。
他にも触れたい話題がてんこ盛りなのですが、ブログがすんげぇ長くなっちゃうのでやめときます。
だからみなさん自分で本を読んでください。

韓国のサムスン電子が開発したスマート冷蔵庫のことも書かれていますけど、野菜など体に良いものが冷蔵庫に入っていないといろいろAIが口うるさいらしいです。

つまり、個人がどれだけ健康に気をつかっているか、そこまで監視され、生命保険や住宅ローンの審査などあるいは就職、結婚など日常に影響を及ぼし始めるかもしれないそうなのです。
だからプリングルズ食べたりコーラ飲んだりしたら、スコアが悪くなって、生命保険料も高くなってしまう、ということでしょう。
自分で言うのもなんですが、すごくわかりやすいたとえです。

本には
『「何を食べるか」という、人間にとって最も根源的な自由が今、AIによる「最適化」という名目で奪われようとしている』
と書かれています。

生命保険料のことを気にしていたら、好きなもの自由に食べて年をとれない、ということでしょう。
規則正しい食事摂っていたって病気にならない保証はないし、死ぬ段階まで制限されるなんてまっぴらですよね。
ふざけんなです。

でも人の健康、死に関わることが企業にとってはカネになるから、どんどん食い込んできているのです。

というか、安くない健康保険料払い続けているのに、病院のお世話になっていない人って多くいますよね。
そういう人を評価する仕組みを作って欲しいものです。

スマートウォッチ付けている人には失礼ですが、自分は絶対に付けません。
どこかと通信できるデバイスって、絶対にどこかにデータが流れています。
自分の健康状態が流れているということです。
自分ごときのデータがどこに流れようとかまわないと思うかもしれませんが、気持ち悪いでしょう。
何か不整脈など突然不調があって、それを知るために一時的に付けるのは良いとは思います。
しかし常時245時間365日付けるのはやめといた方が良いと思うのですけどね。
まぁ、生命保険料安くしたければ付けといた方が良いかもしれませんけど。

オシャレ感覚でスマートウォッチつけて、そして企業にデータを差し出している姿を見ると、「大丈夫かな」って思ってしまいます。

そしてこの本にはとても重要な事実も書かれています。
ワクチン慎重派からしたら、みんなの味方、正義のヒーロ扱いされているロバート・ケネディ・ジュニア氏に関することです。

『2025年、トランプ政権のロバート・ケネディ・ジュニア保健福祉長官は、「あと4年以内に全アメリカ国民にウェアデバイスをつけさせて、食と水と運動と睡眠をすべて管理する」と発言し、データを民間テクノロジー企業と共有する新たな民間健康追跡システムを立ち上げている。』

はっきり言って気持ち悪くないですか??
国民は動物園の動物かよ、って感じです。
しかも民間企業と連携して、ということですし、結局ビジネスにしています。
「民間健康追跡システム」ですよ?

このシステムで、健康状態のモニタリングがしやすくなり医療費を下げる方針だ、とのことですが、本当に医療費下げるためだけですかね?
というか本当に下がるかどうかもわからない。
それ以前に個人のプライバシーもへったくりもない。
医療費下げるために個人情報をすべて差し出すというのも狂っているとしか言いようがありません。

この本は、「生・老・病・死」のテーマに分かれて幅広く書かれています。
抗うつ薬の問題、ADHDのことも書かれていますし、安楽死のことまで書かれています。
安楽死の件、カナダの現状について書かれていますが、相当ヤバいことになっているようですね。
(現在カナダは安楽死大国になっているようです)

安楽死が解禁されてから数年後、議会では「(安楽死の対象者を拡大することによって)年間最大160億円の医療・社会保障費が削減できる」という報告書が議会に提出されているのです。
つまりコスト削減のために安楽死対象者を拡大しようとしている、ということです。

もうそういう時代なのですね。
倫理もへったくりもありません。

実際に2027年3月には、「安楽死法」が精神疾患へも解禁される予定だそうです。

また実際にあった出来事でテレビで放映されたそうなのですが、50代の人が安楽死に申請しました。
でも本人は「死にたいわけじゃない。ホームレスになるのが怖いだけなんだ。」とテレビカメラの前で答えています。

つまり「貧困」が原因なんですね。

それなのに、2人の医師が慢性的な背中の痛みを理由に「医学的基準を満たしている」として申請を承認したのです。

恐ろしいことです。
本人は背中の痛みは死んでしまいたいほどではなく、貧困の問題がなければ生きていたかったはずなのです。
本人が「死にたいわけじゃない」ってカメラの前で答えているのですから。

結局テレビを見た人たちから寄付が集まり、この方は申請を取り下げたそうです。

『カナダ国内では、「充分な福祉や住居を提供できない政府が、解決策として〝死〟を提示しているのではないか」という批判が集まり、法案ができた当初は末期患者のためだった「安楽死法」が、なし崩し的に「経済的理由」で利用されるまでに拡大している現状に、多くの専門家が警鐘を鳴らし出した』

と書かれています。

なんか、日本もこうなりそうな感じですよね…
貧困の原因は、国の舵取りの問題でしょう。
税金これだけ国民から吸い取っているのに、税金チューチューする企業や団体があって、国はそれを見過ごしているのです。
なんなら政治家も役人もグルだったりします(裏金だったり天下りだったりで見返り求めて)。
視野を広く持てば外交の問題も関わってくるでしょうが、貧困は国の責任です
大企業に甘い顔ばかりしているからです。

それなのに、貧困の原因は本人の問題とし責任転嫁しています
そしていずれカナダのように、貧困が嫌なら体調のことを理由に安楽死を選べ、みたいな感じになってしまうのでしょうか。
それに協力してくれる医者が日本にもわんさかいそうですしね。

怖い世界です…。

何でもかんでも「自己責任」にすり替えられる時代です。

病気だって、本来はいろいろな環境毒であるとかワクチンを始めた医原病が原因であることが多いのに、本人の体質・遺伝のせいにされたり。あるいは家庭環境のせいにされたり。
国はNISAなど投資を強く進めていますね。
自分で老後の金貯めろってことでしょう。
貧困にならないためには自分でやれってことでしょう。
まるで貧困なのは投資しないせいだ、とでも言っているようです。
それでNISAなどで国民に金を差し出させています
いまでは「こどもNISA」といって子供からも吸い取っていますよね。
こんなの、儲かるのは大企業と、マネーゲームしている連中と、手数料収入が入る証券会社くらいでしょう。

日本なんてすげぇ税金搾取しているのですから、本来は国が国民のカネの面倒をみるべきなのです。
それなのにその責任を放棄して、自分たちで何とかしろという(影ではそれでボロ儲けしているところがあるというのに)。

この本にも書いてありますけど、同調圧力が強い日本忖度が根付いている日本だからこそ、貧困など対象が広くなった安楽死法は危険です。

今回紹介した本は自分の生存に関わる重要なことがたくさん書かれています。
世界ではどのような動きになっているのか、実例を元に書かれていますから説得力ありありです。
しかも読みやすいです。
ぜひご一読を。