90代の女性ですが、物忘れを主訴に来院されました。
転倒も繰り返しており、嚥下状態もいまいちとのことでした。
診察して明らかなパーキンソン症状はなかったのですが、グルタチオンとシチコリン、ソルコセリルの注射を試してみました。
歩行の不安定さは、腰椎の変形(腰が曲がっている)や筋力低下にともなうものが強いかなぁと思い、グルタチオンの効果はあまりでないかなと思ったのですが…。
点滴前は表情も暗く、話しかけると少しは答えてくれるのですが、あまり言葉を発してくれません。
10~15分の点滴を終えてみると…。
表情が全然違いました。
とても晴れやかな顔になり、すごく明るくなりました。
そして発語も増え、ご本人も「頭のもやがスッキリした感じ」とのこと。
こんなにも変わるものかと、ご家族もびっくりしましたし、正直自分もびっくりしちゃいました。
歩行状態はすごく改善したということはなかったのですが、これだけ頭がスッキリすれば、注意力も上がり転倒も防げるかもしれません。
あるいは今後ぼーっとした状態で運動するよりも、効果的に運動ができるようになると思います。
今回はきっとシチコリンもしくはソルコセリルが効果あったのでしょう。
こんなに短時間で別人のように変化するとは、自分でも言うのもなんですが奇跡をみているかのようです。
以前にも数日寝たままで食事も取れていないという方に、点滴による補液ついでにシチコリンを投与したことがあります。
その方も、点滴が終わった直後に目が覚めて、自分で水分を取り始めました。
一般的な認知症外来では、まずシチコリンの注射などはしないでしょう…。
もっともっとこれらの治療法が広まってくれると、助かる患者さんたちは増えると思います。
なにかぼーっとしている感じがする、話しかけても反応があまりない、などは認知症(特にレビー小体型認知症)の症状のひとつである意識障害かもしれません。
そんなときはシチコリンやソルコセリルの注射を試す価値は十分あります。
