当クリニックにおける認知症診療について

認知症の治療は、認知症薬を中心とした薬物療法だけではありません。
認知症薬は、使い方を間違えれば逆に周辺症状を悪化させたり、体の動きが悪くなったりそれこそ認知症状まで悪化させることにつながりかねません。
認知症薬を使用するにしても、その人の病状に合わせた微妙なさじ加減が必要になってきます。

当クリニックではコウノメソッドを主体にした認知症診療をおこなっております。
しかしコウノメソッドだけではありません。

認知症は生活習慣病の要素も大きくあります。
それまでの生活スタイル、食事スタイルが関係してきます。
で、とっても基本的なことなのですが、「人間の体は食べたものでできている」ということです。
つまり栄養の偏りや欠乏も病気の発症に大きく関わってきます。
これは認知症だけでなく、高血圧や糖尿病、骨粗鬆症、アレルギー疾患、癌にいたるまでほぼすべての病気にいえることです。
病気は遺伝的な要因だけではありません。
病気には必ず原因があります。
当クリニックでは、コウノメソッドだけに限らず、栄養の確認も必ず行い
足りない栄養素があればそれを補っていき、脳機能をサポートしていきます。

まず初診時は、これまでの内服薬を確認します。
血圧の薬や胃薬など、認知症状を引き起こす薬を飲んでいないか確認します。
結構無駄に漫然と降圧薬や胃薬を飲んでいるケースが多くあります。
減量・中止しても問題ないケースがほとんどです。
同時に栄養素でのサポートも行うことが多いので、その効果もあるかもしれませんが…。
あと、よくわからない薬を飲んでいるケースも多いです。
薬は飲まないに越したことはありません。
積極的に整理していきます。
実際に血圧の薬をやめただけで認知症がよくなったケースもありました。
本当に認知症なのか、薬が認知症状を引き起こしていないかを必ず先に疑うべきです。

そして血液検査を行い、体の栄養状態を確認します。
もちろん治る認知症と言われている甲状腺機能低下症がないかも確認します。

血液検査を確認すると、ほぼ確実に何らかの栄養素が極端に欠乏しているケースが多いです。
処方で対応できるものであれば処方で対応しますし、薬によってはサプリメントの方が安くすむケースもあるので、一番患者さんに負担がかからない方法で治療を行います。

サプリメントに関しても、値段が高すぎると継続できません。
一番安くすむ方法で、安くて良質なものを案内しています。
患者さんもしくはご家族が自分でインターネットで購入できる場合は、その購入方法をお伝えしています。
もちろん少し高めだけど、効果が期待できるサプリメントもあります。
しかしそれは紹介だけにとどめて無理強いすることは決してありません。

サプリメントもいろいろあげると切りがないのですが、いきなりたくさん飲むことになってしまうとかなり負担になってしまいます。
優先順位をつけて勧めるようにしています。

診断については、初診時の歩き方や話し方、様子などである程度予測がつきます。
もちろんこれまでの症状を聞かせてもらうことができればさらに参考になります。
ただ初診時は患者さんも緊張していたり、取り繕うことがあるので診断が難しい場合もあります。
しかし数回の診察で、ある程度の治療方針は立ってきます。

認知症診療に有効な方法はあげれば切りがないのですが、体にたまった重金属を外に出すデトックスも行いたいところです。
しかしそれに関しても、いわば初級~上級まであります。
それに関しても無理強いすることはせずに相談して決定していきます。
(ほとんどのケースでは、保険診療内でできることで対応したり、3~4ヶ月分で1000~1500円程度のサプリメントで対応することが多いです)。

認知症薬は、上手に使えば有益なこともあります。
しかしそれは微妙なさじ加減で使った場合です。
ほとんどのケースでは認知症薬は必須ではないかもしれないと最近感じています。
栄養・解毒によるサポートで、かなり脳機能を維持し続けることができるのではと、これまでの経験から確信しつつあります。

栄養主体にした治療のメリットはなんと言っても体に負担がかからないことです。
そして、認知症に限らず、そのほか種々の病気の予防・治療にも効果が期待できることです。
例えば、ビタミンDの補給ひとつとっても、脳機能だけでなく、高血圧の改善や骨粗鬆症の予防・改善、糖尿病予防、癌予防、アレルギー予防など、効果は多岐にわたります。

認知症=すぐに薬物療法(認知症薬)
ということでは決してありません。
もちろん周辺症状によってご家族が困っているケースでは、これもまずは内服薬の整理から始めますが、急ぐときは薬物療法(認知症薬ではない)を早めに開始することもあります。