「がん細胞自滅」うたい健康食品販売の疑い 社長ら逮捕

8月の上旬、見出しのニュースがでました。

医薬品として承認されていない健康食品(フコダイン)を「がん細胞の自滅作用がある」とうたって販売したとのことで、医薬品医療機器法違反で逮捕したとのことです。

癌の患者さん、あるいは家族の方なら一度は広告を見たことがある会社だと思います。

フコダイン自体は国立大学などでも研究されていますが、免疫力を高めたり、血管新生の抑制、アポトーシスの誘導、抗癌剤の副作用軽減、免疫力増強などの効果が報告されています。

この会社は広告方法について市から再三指導を受けていたとのことで、販売・広告方法に問題はあったのかもしれません。

ただ今回のニュースで解せない部分がありました。
いろんなマスコミが報道しているのですが、必ず最後に
「1箱2~3千円で仕入れ、2~6万円で販売していた。2016年以降28億円以上を売り上げていた。」
と報道しているのです。

医薬品医療機器法違反での逮捕ですから、この部分は余計ですよね。
ニュースのインパクトを高めるため、こんなに悪徳なことをしていたと印象づけるためだとは思いますが…。
「こんなに原価が安いのに、こんなに高く売っていたんだぞ」って。
それなら、3100円で売れば良かったのでしょうか?それとも3200円?
たぶんそのくらいなら、「仕入れ値いくらで…」とかの部分は報道されなかったでしょうね。
でもそれじゃ会社はやっていけません。
資本主義の中の会社である以上、人件費、広告費などがかかってきます。
当然利益も必要です。
(この会社は特に広告費が相当高くついていたと思いますが…。それくらいいたるところで広告を目にしていました。)
正直「いくらで売れば適正か」なんてないと思います。
会社の社長の良心によるところでしょう。
もうけが出るギリギリのところで値段設定するか、高くふっかけるか。

ただ「原価2~3千円を2~6万円で販売していた」というのが問題だとしたら、
自分からしたら、「それじゃ製薬会社はどうなんだ」と言いたくなります。

製薬会社だって同じことしています。
いや、適正な価格以上で販売しているのではないでしょうか?
自分たちの給与以外(役員も高額報酬ですが)にも、影響力のある医師への講演などに対する謝礼、接待費(今は以前に比べ大分減ったそうですが)など、余計な部分も薬代に反映されています。

以前、「ワセダクロニクル」というサイトを紹介したことがありますが、
その団体が調査した内容が事細かに書かれています。
製薬会社からどの先生にいくらの金が渡ったか。実名ででています。
それはその先生個人のポケットに入るお金だそうです。

一時期、高額な薬として話題になった「オプジーボ」があります。
今ではキムリアという1患者あたり3349万3407円もする薬がありますが…。

オプジーボは発売当初100mg 72万9849円で販売されました。
当初からこの値段は根拠が乏しいと指摘されていました。
ちなみに同時期外国ではいくらだったのかというと、
アメリカで100mg 29万6000円、イギリスで14万4000円でした。
なぜ日本だけこんなに高かったのか?

薬価の算定方式はいくつかありますが、新しい薬の場合は原価計算方式で出されます。
これは原材料費、研究開発費、営業利益、流通経費などで決まります。
しかし、原材料費、研究開発費は企業秘密ということで公開されていません
ここでかなりグレーですよね。

そして実際に薬価を決める薬価算定組織の委員は非公開です。
議事録もないそうです。
こんなのでいいのでしょうか??

そして極めつけは、製薬会社から委員へ多額のお金が渡っていたのです。
ここまできたらもうブラックですよね。

これは先ほどあげたワセダクロニクルが情報公開請求をおこなってわかったことです。

薬価を決める組織の委員に、製薬会社から多額のお金が提供されていた。
これで公平な薬価が決められるのでしょうか?

ちなみに委員長を含む3人にはそれぞれ1100万円前後のお金が渡っていたそうです。
その人個人にです。
もう「知らない方がよかった」と思いたくなるくらいのレベルの話です。

オプジーボは社会問題と言えるほど話題となり、発売から5年たった現在では76%も安くなって100mg 17万2025円になっています。
こんなに安くなったら製薬会社の売り上げはがた落ちじゃないの?と思うかもしれませんが、2017、2018年を比べると実は年間900億円で推移しており、薬価が下がっても売上高はあまり変わっていません
2017年に薬価が50%も安くなったので売上げはがた落ちしたかなと思ったのですが、確かに1000億円から900億円に下がっています。
しかし米国の会社からのロイヤリティ収入というのが増えているので、実は合計額は変わっていません(合計して約1400億円)
じゃあ、なぜ薬価がこんなに下がったのに売上げが変わらないのか??
適応疾患が増えたからです。
つまり使える患者さんがたくさん増えたからです。

オプジーボの売上高とロイヤリティ収入のグラフ。【14年度】売上高:25億円。【15年度】売上高:212億円、ロイヤリティ収入:82億円。【16年度】売上高:1039億円、ロイヤリティ収入:267億円。【17年度】売上高:901億円、ロイヤリティ収入:398億円。【18年度予想】売上高:900億円。

(上記グラフはAnswersNewsのサイトより)

本当うまい具合に製薬会社の利益は守られているなぁと思いました。

しかしこんなにどんどん適応を広げていっていいのでしょうか?
安全性をしっかり確認しているのか不明です。
案の定、重大な副作用はどんどん報告されています。
最近では2019年5月に11人に重い脳の機能障害(下垂体機能障害)を引き起こし、1名が死亡したと発表されました。
7月には小腸炎で死亡した例も報告されています。

話がどんどん違う方へきてしまいましたが、
オプジーボの原価って一体いくらなんでしょうかね?
フコダインのニュースと比べてみたいものです。
「原価○○円のオプジーボを△△円で売って、1400億円の売上げを上げていた」って。

決して上記のサプリ会社を擁護している訳ではありませんが、フコダインが実際に癌患者さんに効果があった例もあるようですし、副作用の面だけからみればフコダインの方が断然安心ですね。
あっ別に、癌にフコダインを強く勧めているわけではありません。
ただ他に治療法がないとかの場合を含め、試す余裕があるなら試してもいいのではないかなと思います。
強く期待しないで試してもいいのではないかなと思います。
「強く期待しないで」は、抗癌剤にも言えることかもしれませんが…。
値段の付け方については、このサプリ会社も製薬会社も五十歩百歩じゃないですか。
自分からしたら製薬会社の方がより不誠実な感じを受けますが。
製薬会社の売上げであるとか、そこから薬価を決める委員に流れているお金であるとか、ガイドラインを決める医師への寄付金・謝礼金であるとか、製薬会社役員の高額な報酬であるとか、それらはすべて元を正せば国民の健康保険料から出ていますからね。
あるいは国からの補助金であるとか。これは国民の税金からです。
どちらも強制的に徴収されているお金です。

国民皆保険とは健康保険制度によって成り立っており、みんなほぼ平等に医療を受けることができます。素晴らしい制度です。
しかしその制度を逆手にとって、というかうまいこと使って、そのお金を製薬会社などに搾取されているようにみえます。

医者も、無駄な薬を出したり、無駄な検査をしたりしてそこに加担している事も多いのです。
医療費削減が叫ばれていますが、本当に必要な薬だけ、本当に必要な検査だけにしぼるだけでもかなり削減できるはずです
今でもかなりの人が勘違いされていますが、医者が薬をたくさん出したからといって、決して医者が儲かるわけではありません。
院外処方の場合が増えていますが、そんなときは薬局が儲かるだけです。
いやいや、薬局と製薬会社が儲かるだけです。

医者が無駄にもうけようとするのは、今では検査ぐらいしかないのではないでしょうか?
医療機器メーカーからうまい話にのせられて、最新の医療機器を導入すると、
その元を取るために無駄な検査をいれやすくなります。
病院によってはノルマすらあるところもあるようです。

自分の考えですが、クリニックで行われる簡易的な骨粗鬆症の検査も要注意です。
誤差も多いでしょうし、そんな簡単に正確に骨密度の評価なんてできるわけがありません。
それで安易に骨粗鬆症と診断され、たいして効かない骨粗鬆症の薬を永遠と飲まされる。
そんなケースが非常に多いです。
骨粗鬆症ビジネスは相当なものがあります。

話がまたそれてしまいました。

最終的な結論。
摘発された会社は、厚労省の役人であるとか市の人間を、天下りとして
高額な報酬で受け入れていれば、きっと摘発されなかったかもしれません。
あるいはそのような世界の人と強いパイプがあるとか。
世の中そんなものです。

きわどい広告で販売しているサプリ会社なんてたくさんあるんですけどね。