おおきな木ホームクリニック のすべての投稿

とある生活保護の方の言葉…

先日、50代の男性患者さんの診察にうかがいました。
この方との付き合いは長く、4年以上になります。

お酒で失敗し、外傷により右上下肢不全麻痺があります。

これまでの印象は、言葉は悪いかもしれませんが、「わがまま」。

当初、施設に入居されていたのですが、いろいろスタッフに言われるのがうるさいらしく、一人暮らしを始めたくらいです。
利き腕がうまく使えず、一人暮らしはとても大変なのに…。

お正月に転倒して大きな傷を負ったことがありました。
ケアマネさんから連絡があり、出血が止まらないとのことですぐに診察に行きました。
右耳から出血し、耳が大きく腫れています。
出血もだらだら続いていますし、右耳の腫れ方が尋常ではありません。
すぐに病院受診しなければと促したのですが、本人はかたくなに拒否です。
「絶対に病院に行かない」と。
「自分で治す」と言って聞かないのです。
この方は意志がはっきりしていますので、とりあえず圧迫止血し
出血が止まってきたと思ったところで退散しました。
その後定期的に診察してきましたが、右耳の腫れはなかなか引かず、色も悪い感じがします。
最悪の場合、右耳が腐る可能性があると脅しても、まったく効果ありません…。
再三繰り返し病院受診を勧めましたが、絶対に行くとは言いません…。
そんなこんなで気付いたら1年近くがたち、右耳の腫れはおさまり、ほとんどきれいになっていました。
本当に自分で治してしまいました。

そのような方なのですが、先日の診察時に突然、
「みんなに助けられてありがたい。なんかうれしい。」
と言われました。

とてもびっくりしました。
このようなことを言う方だとは微塵も思っていませんでした。
心からとても感動しました。

本人は、
「こんなこと恥ずかしくてなかなか言えないけど、本当に感謝している。」
と。

恥ずかしい気持ちを乗り越えて感謝の言葉を面と向かって言ってくれた勇気にすごくびっくりしました。
この4年半、そのようなことは一切なかったですから。
どちらかいえばわがまま放題だったので…。

当たり前のことにありがとうと言える勇気はすごいと思います。
当たり前のことが当たり前ではないことに気づけることはすごいことだと思います。

患者さんから学ぶことはたくさんあります。
それは医療的なことだけでなく人生についても。

患者さんたちに心から感謝です。

今さら酸性雨、いえいえ今でも酸性雨

「酸性雨」はいっときすごくブームになっていましたが、どうなったのでしょうか?
約30年くらい前のことだったと思います。
「酸性雨、酸性雨」とみんな大騒ぎしていました。
しかしあの大騒ぎはどこへやら。
今じゃまったく聞かなくなりました。

突然思い出して、調べてみました。
そうしたら、今でも「酸性雨」なのです。
ずっと酸性雨です。
気象庁や環境省がデータを公表しています。
特に環境省のものは全国で測定しております。

ちなみに札幌でみると、
平成10年から24年の15年中央値という値で、pHは4.70です。

pHが5.6以下で酸性雨と言われていますから、今でも立派な酸性雨です。

酸性雨の問題は、湖や沼に住む生物に影響が出る、森林が枯れる、コンクリートなどを溶かすなどがあります。
あと、土壌が酸性化することによってミネラルなどの栄養が流出してしまうといわれています。
特にカルシウムやマグネシウムなどが影響を受けるようです。
土壌に対する影響は、化学肥料の使いすぎもそうですね。
化学肥料によって土壌が酸性化されてしまします。
今の野菜は昔に比べ栄養分がどんどん減ってきているというのは、化学肥料の使いすぎだけでなく、酸性雨にも原因がありそうです。
現代人はマグネシウム不足が多いと言われていますが、ここにも原因があるのかもしれません。

そして地球温暖化教室というHPには、
「土壌にあるアルミニウムが河川や海に流れて、それが飲料水などに混ざることによりアルツハイマー病の原因になる」
と書かれています。
つまりアルツハイマー型認知症の原因の一つに酸性雨があるとも言えるわけです。
なんだか壮大な話になってきました。

しかし、地球環境が人体に影響を与えるというのは当たり前ですね。
地球に生きているわけですから。
ただ病気の根絶を目指そうと思ったら、地球環境のことも考えなくちゃいけないということです。

病院の中で対処療法だけやってたって、ずっと同じことの繰り返しです。
なぜその病気になるのか、その原因を探って予防していかなくてはいけません。

ちなみに、アルミニウムが本当に神経毒性があるのか気になって少し調べてみました。
これまでいろいろな文献にアルミニウムは脳機能に悪いと書いているのは読んでいましたが、
何の疑問も持たずに「アルミニウムは脳機能に大きな影響を与える、認知症のリスクになる」と思っていました。
ただの思い込みだったのかもしれないと思い、改めて少し調べてみました。。

少し古いのですが、1997年、The New England Journal of Medicineという権威ある雑誌に紹介された論文に
「未熟児に長期間アルミニウムを含む栄養を与えると神経学的発達障害が起こる」
というものがありました。
これは未熟児に限らず、血液脳関門(脳の関所)が未熟な子どもにとっても言えることではないかなと思います。
ということは…
ワクチンには水銀やアルミなどが含まれていることがありますが、生まれて2ヶ月頃からワクチンを打ちまくって、こういうのは本当に神経学的発達に影響がないと言えるのでしょうか?

ワクチンに反対か推奨かは抜きにして、ワクチンを打つのであれば、チメロサールフリー(水銀が入っていないもの)を選べるのであれば、そちらを選んだ方が良いでしょう。
自分の体に注射されるものですから、どのような成分が入っているのか、一度添付文書を確認されることをおすすめします。
スーパーなどで食品を買うときも、原材料名などの食品表示ラベルをみますよね?
自分の体にどんなものを入れるのか、どんなものが入れられるのか、ちゃんと確認するべきです。
今はネットで添付文書は簡単に確認できます。

と、また表題から話が違う方へきてしまいました…。

発達障害について

ここ最近、何でもかんでも発達障害ですね…。
先日も、10人に1人が発達障害であるとニュースになっていました。

こんなに急増したのは、食生活や添加物の問題もありますが、安易に診断されすぎていることにも大いに原因がありそうです。
今や子どもだけでなく、「大人の発達障害」もブームになっています。
ちなみにネットで、簡易的に大人の発達障害をチェックできるホームページがあるのですが、試しにやってみました。
結果は、
「ADHDを持っている可能性は低いですが、不安な場合はお近くのお医者さんにご相談を」
と出ました。
そしてご丁寧にも、そのままの流れで近所の病院まで検索してくれちゃいます。
そのホームページをよく調べたら、製薬会社のものでした…。

子どもの発達障害にしろ、大人の発達障害にしろ、みんななんらかしらの症状を持っているはずです。
診断基準をみてみると、なにも当てはまらない人間の方が逆に怖いくらいです。
大人も子どもも、「ちょっと変わってる」というだけで、みんな発達障害にされちゃいます。

「子どもは落ち着かないのが普通」と考えることはおかしいことでしょうか?

薬物療法が必要のない子にまで、薬漬けにしている例もたくさんあります。
その子の将来はどうなってしまうのでしょうか?
思考能力が欠如し、単に従順で、反抗もせず、聞き分けのよい子にするためだけに薬を飲ませているようにしかみえません。
悪く言えば、個性も何もないロボットを量産しているようにしかみえません。
こんな薬物療法主体の治療を行っていて、日本は一体どうなってしまうのでしょうか??

確かに、本当に薬の力が必要なケースもあるでしょう。
しかし飲まなくて良いケースがほとんどだと思うのです。
一体いつまで薬を飲ませ続けるつもりなのでしょう。

そもそもが発達障害の診断自体が怪しいのですが、
そのけがあるかなと思ったら、まずは薬ではなく、食生活や生活環境、栄養状態を確認してください

甘いお菓子ばかり食べている、悪い油ばかり取っている、添加物だらけの食事をしている、寝不足などしていませんか?
鉄不足がADHDを引き起こしたり、亜鉛不足(銅過剰)も多動性を引き起こします。
ひょっとしたらそれらを改善するだけでも、問題と思われる症状が改善するケースがあるのです。

大切な子どものためにも、まず薬ではなく、採血をして栄養を詳しく確認してみてください。

2019年1月、発達障害とは違いますが、京都薬科大学の研究グループが、
「ダウン症の酸化ストレス亢進に銅蓄積が関与することを見いだした」と発表しました。
そこでは
「過剰な銅の蓄積によって脳内で活性酸素ができ、神経を傷つける一因になっている可能性がある」

とコメントされていました。
マウスの研究ですが、銅を適正レベルまでコントロールしたら行動も改善されたそうです。
神経・精神疾患の患者さんは、ほとんどの方が銅過剰、亜鉛欠乏になっています。
銅と亜鉛のバランスはとても大切です。

先日読んだ本に、獨協医科大学埼玉医療センターの井原裕先生の本にとてもよい言葉が書かれていました。
『発達障害の子どもたちも、確実に「発達」するのです』
そして、
『薬によって発達するわけではない』
という、当然のことにも改めて気付かされました。

発達障害で悩まれているご両親の方は、一度読まれることをおすすめします。
少し気が楽になると思いますよ。

最近のインフルエンザ関連ニュースについて

ここ最近インフルエンザ関連ニュースが賑わせております。

大流行に加え、インフルにかかって転落した、死亡したというニュースまでも…。
そして新薬ゾフルーザによる耐性ウイルスが検出されたというニュースも出てきました。
予想されていたことですが…。

まず、なぜ近年になってこんなにもインフルエンザで大騒ぎするようになったのでしょうか?
自分が子どもの頃、こんなにもニュースになっていたりしていたかなぁと思いました。
受験の頃も「ワクチン打たなきゃ」とか考えていなかったように思います。
せいぜい風邪を引かないように注意していたくらいで。

インフルエンザは、風邪と同じ症状です。
風邪よりも高熱が出ることが多いために重症感がありますが、
インフルエンザの方が普通の風邪よりも早く治ることもあります。
ずっと風邪気味の人っていますよね。風邪がスッキリせず1週間以上もスッキリしないことも。

なぜ近年になってこんなにも毎年のように大流行のニュースが流れたり、異常行動のニュースが流れるようになったのでしょうか?

おかしいと思いませんか??

2001年に初めての抗インフルエンザ薬であるタミフルが発売されました。
なんとなくですが、それから徐々に大流行のニュースや異常行動のニュースが増えてきたように感じるのです。
今年はさらに大流行の兆しをみせていますが、自分としては新薬(昨年発売開始)が少なからず関わっているような気がしてならないのです。
今回、小学生2人から耐性ウイルスが検出されたとのことでしたが、
耐性ウイルスはもっと確実に広がっているはずです。
全員ウイルスの耐性なんて検査しませんからね。
「2人から検出」に惑わされずもっと危機感を持つべきです。

インフルエンザ治療薬については点滴や吸入もあったり、新薬がでてきていますが
逆にインフルエンザウイルスを怒らせて凶悪化させているようにしかみえないのです。

タミフル以降に発売された薬は大体、「タミフルと比較して非劣性」つまりタミフルと比べて劣らないというデータで適応が通っています。
以前にもブログで書きましたが、タミフルはWHOでも格下げになった薬です。
そんな薬と比較したって…と思ってしまうのですが。

ちなみに、タミフルを発売したロシュという製薬メーカーは、
タミフルの効果に疑問を持ったいくつかの団体が臨床試験のデータの公表を求めてもなかなか公表しなかったことで有名です。
自信を持って発売したのですから、なぜ何年も隠す必要があったのか不思議です。

次に転落のニュースです。
なるべくインフル関連の転落のニュースはチェックするようにしていますが、
どのニュースを見ても、「治療を受けていたのか」については詳しく報道されていないんですよね。
どれをみても、「インフルエンザによって転落した」「インフルエンザが原因で転落した」としか読めないニュースばかりです。

1月22日小学6年生の男児が3階から転落
1月22日37歳女性がホームから転落
1月22日長野県の小学生がインフルエンザ脳症で死亡

最近の衝撃的なニュースを確認したら、なぜかみんな発表が1月22日でした…。
これらのニュースはすべて「インフルエンザによって」引き起こされたように報道されています。
厚労省は、「タミフルと異常行動に明らかな因果関係はなかった」と結論を出していますが、であれば「どんな治療をしていたのか?」についてもマスコミは公平に報道するべきではないでしょうか?

ちなみに上記の小学6年生男児のケースでは、タミフルの服用後だったらしいです。保護者がSNSで「タミフルの影響で飛び降りた」と記載していたようです。(後日たまたま観たワイドショーの番組ではタミフル内服後だったことについてちょこっと言ってました。しかしネットでは治療について言及した記事は見つかりませんでした。)

インフルエンザ脳症でなくなってしまった小学生についても、NSAIDsといわれる強い解熱剤を使っていなかったのかなどについても情報はわかりません。
NSAIDsの使用によって炎症性サイトカインが増加することが報告されています。
ただでさえインフルエンザで炎症が起きているのに、そこでNSAIDs使用によって
炎症性サイトカインが爆発的に増えてしまいます(サイトカインストーム)。
発熱があって、冷蔵庫に保管してあった昔もらった座薬をうっかり使用してしまった可能性も否定できません。
まさかとは思いますが、医療機関で処方された可能性も否定できません。

昨今のニュースは
インフルエンザ=超凶悪なウイルス、怖いウイルス
印象づけているようにしかみえません。
確かに、耐性ウイルスの出現によって怖いウイルスになっていっていることは確かですが…。

今年は施設や病院での集団感染、死亡のニュースもやけに目につくような感じがします。
大抵施設などで集団生活されている方はワクチンを打っているかと思うのですが…。
ワクチンが効かないのか、ウイルスが凶暴化しているのか…。

最近はこれまでのインフルエンザ治療について疑問を投げかける先生も増えてきました。
これまでずっとやってきた対策は正直あまり効果ないのですから(逆に問題を年々大きくしているようにみえます…)、根本的にインフルエンザに対する対処法を考え直さなければならないのでしょうか?

ちなみにインフルエンザにかかっても、薬を使わず治した方は自然免疫を獲得して、翌年以降インフルエンザウイルスに接触しても発症しにくくなります。
いろんなタイプのインフルエンザウイルスに対応できる体になります(免疫力が通常にある場合)。
しかし薬を使ってしまうと自然免疫の獲得は難しくなり、また翌年もかかる可能性があります。

認知症は不幸か

ちまたではいろいろな認知症予防法が紹介されています。
みなさん、認知症にはなりたくないと思っているあらわれでしょう。
もちろん認知症にならないにこしたことはありません。

認知症患者さんをたくさん診察するようになって、ふと思いました。
「認知症患者さんは今を生きているんだ」と。

現代の人たちは、過去のことを悔やんだり、忘れていたこともわざわざ思い出して
後悔したりしています。
あるいは、不確かで起きるかどうかわからない未来のことを心配ばかりしています。
今の人たちに欠けていることは「今を生きること」ではないでしょうか?

今この瞬間を全力で生きる。
今を思いっきり楽しむ。
今に集中する。
現代人に欠けているのは「今」です。

もちろん今の楽しみだけを考えてお金を無駄遣いしちゃうとかはダメですが、
わからない将来のことを思い悩んだり、戻ることのできない過去のことを悔やみ続けたりしているウエイトが大きすぎるのではないかと思います。

認知症患者さんは、現代人にとってはお手本の生き方なのかもしれません。
忘れていた大事なことを気付かせてくれているのかもしれません。

もちろん認知症患者さんによっては昔のつらいことをずっと引きずっている方もいます。
トラウマのようにずっと昔に受けたつらいことを言い続けている方もいます。

人間は、つらいこと、ストレスが続くと記憶の中枢である海馬が萎縮します。
つまり人間の自然に備わった防衛反応として、つらいことを忘れようと海馬が萎縮してくるのかもしれません。
海馬が萎縮しないで、つらいことをずっと覚えていたら、その他の臓器に影響が出てしまう可能性があります。
「病は気から」というように、ストレスから癌が引き起こされたりして寿命が縮まってしまうかもしれません。
人間の個体・生命を守る手段として、海馬が犠牲になっているのかもしれません。
生命として、一番長生きできる方法を選んでいるのかもしれません。

もちろんリコード法にもあるように、認知症の原因はストレスだけでなくたくさんあります。
重金属の問題であったり、栄養の問題であったり、代謝障害であったり…。
しかし、本人や周囲の人が物忘れに始めて気付いたときというのは、何らかの大きなストレスがあったことが多いのではないでしょうか?

正直なところ、認知症は進行してしまうと改善はかなり難しくなります。
栄養でサポートしたり、解毒をしたりすることによって進行はかなり遅らせることはできます。
治療が早ければ早いほど改善は期待できます。

ただかなり進行してしまったとしても、諦めているわけではありません。
たまにでも、家族とコミュニケーションがとれる、家族のことがわかるということがあれば、介護疲れも吹っ飛びます。
少しでも良いところを引きだそう、取り戻そうと考えて治療しています。

最初の話からだんだん話が変わってきてしまいました。

認知症患者さんを目の前にすると、「かわいそう」とか「あんな風にはなりたくない」とか思うかもしれません。
しかし認知症患者さんは、忘れかけていた生き方を思い出させてくれているのかもしれません。
そう考えると、少し見方が変わりませんか?

本人にとったら不幸ではなく、究極の生き方をしているのかもしれません。
つらいことをすべて忘れ、将来の余計な不安も抱かず、今だけを生きるようにした。

認知症患者さんは家族やスタッフのサポートがないと生きていけません。
だけど学ばさせてもらうところもあるのです。

風邪・インフルエンザ予防の決定版(?)

冬の時期になると風邪・インフルエンザが気になりますね。

自分も毎年風邪にはかかっていました。
寒くなる時期、年明けなどなど。
年に2~3回は引いていたかもしれません。

風邪予防にはビタミンCが良いとは皆さん聞くと思います。
しかしこれは初級です。

最近、ビタミンDが良いという話もようやく広まってきました。
ビタミンDは免疫力向上にもつながりますし、インフルエンザ予防にもなります。
インフルエンザワクチンより効果があったとする論文もあります。
ここまでは中級。

これらに追加して亜鉛補給です。
亜鉛はリンパ球の中でもT細胞を活性化します。
また亜鉛が低下すると好中球やマクロファージの貪食能が低下してしまいます。
亜鉛補充を追加してから、自分は風邪をひかなくなりました。

ビタミンC+ビタミンD+亜鉛

これが風邪・インフルエンザ予防の上級セットかもしれません。

上記に加え、風邪っぽいかなと感じたときは漢方薬の
麻黄附子細辛湯
も内服しています。
そうすると悪化もなくすぐに落ち着きます。
ちなみに粉薬は苦手なので、カプセルタイプの麻黄附子細辛湯を内服しています。

 

つまり、基本は
ビタミンC+ビタミンD+亜鉛

これに風邪っぽいときは
ビタミンD増量+麻黄附子細辛湯
でサポート

という感じでしょうか。

ちなみにそれぞれの飲み方は以下の通りです。


ビタミンC
・寝る前に2gを必ず摂取する。すると寝ている間に副腎が修復されます。
 慢性疲労の治療にも良い飲み方です。
・日中もできればこまめに内服します。自分は1日でトータル6g以上は摂取するよう にしています。

ビタミンD
・1日5000IU摂取しています。少し風邪っぽいかなと思ったら、5000IU追加して、1 日10000IU摂取します。
・脂肪が多い人はビタミンDは脂肪に吸収されてしまいますので、血中濃度が上がり  にくいです。
最初は多めに内服していった方が良いでしょう。

亜鉛
・いろんなサプリメントで摂取しています。胃に負担がきてしまう人は食後の内服  が良いです。
・プロマックという処方薬だと、胃に負担はきずらいです。もともと胃薬ですか   ら。
・しかし亜鉛欠乏が強い人はプロマックだけでは十分に亜鉛濃度が上がらない人も  います。
・亜鉛が過剰になると神経細胞死を起こす可能性があります。その毒性を緩和して  くれるのがカルノシンです。
サプリの中にはカルノシンを含んだ亜鉛サプリもあるので、そちらの方が安心かもしれません。


ビタミンDや亜鉛は血液検査で濃度を測ることができます。
1度は測定し、どれだけ足りていないのか調べる価値はあると思います。
どれだけ補充していったらいいのかの目安になるでしょう。

セレンも強力な抗酸化力があります。
またビタミンDをとるなら、マグネシウムも摂取した方が良いです。
ビタミンDが生体内で効率よく働くにはマグネシウムがかかせません。
ビタミンCもビタミンEと摂取することで抗酸化作用の相乗効果が期待できます。
そうなると飲むものがたくさんになってしまいますが…。

ちなみにビタミンD+亜鉛を小学生のお子さんに飲んでもらっていたら、
インフルエンザで学級閉鎖になり、教室の座席の前後左右四方の子がみんなインフルエンザにかかっていたにもかかわらずその子だけは無事でした。
ちなみにインフルエンザワクチンは打っていません。

ビタミンDや亜鉛は風邪予防以外にも数多くの効果があります。
絶対に必要なビタミン・ミネラルです。
脳機能維持、認知症予防にもかかせない栄養素です。
そして血液検査をすると、たいていの方は欠乏しています。

亜鉛は食事では欠乏状態からの回復は難しいと言われています。
貝の牡蠣に亜鉛は豊富と言われていますが、スズの多い海で育てられた牡蠣は亜鉛と置き換わってしまっています。
そして札幌でも年末に大流行しましたが、食中毒のリスクが高いです。
サプリメントで、あるいは処方薬(プロマック、ノベルジン)で対処した方が良いです。

 

インフルエンザ治療について

インフルエンザ治療薬に、1回飲むだけで治療ができる薬が発売されました。
1回飲むだけで治療できるなんて、確かにとても素晴らしいと思います。

しかし、インフルエンザが流行し出すにつれ、
あまりテレビを見ない自分でさえ、開業医の先生や、著明な役職のある先生が
そのお薬について説明しているのを多く見かけます。
あたかもその薬を推奨しているような…。
こういうときは疑わないといけません。
本当にそんなに素晴らしいのかと。

テレビでは副作用についてもいくつか説明がありましたが、どれもありきたりなものばかりです。

しかしもっと重大な副作用があります。

それは、耐性株を増やしてしまうということです。

つまり薬が効かないウイルスを多く作り出してしまう可能性が高いのです。
インフルエンザの種類によっては、これまでのインフルエンザ治療薬よりも耐性株を作りやすいと言うデータが出ています。
しかも、罹病期間が延びたり、発熱期間が延びてしまったケースもあるのです。
薬を飲んで治療したつもりが、逆に悪いウルスを作り出し、病気が長引いてしまうのです。

この耐性を持ったインフルエンザウイルスが他人にうつるかどうかはわからないと今のところは言われていますが、ほぼ確実にうつるでしょう。
薬に効かないインフルエンザウイルスがどんどん増えてしまう可能性があります。

新しい薬、一回飲むだけで良い薬、などといわれるとみんな素晴らしいと思ってしまいますが、何でも飛びつくのはよくありません。
「医者が言っているから安心」ではないのです。

某有名病院では、やはり耐性株の懸念と、小児のデータが十分ではないなどの理由からこの新薬の採用は見合わせているようです。
データが十分でないのに小児への適応が通っていること自体が恐ろしいです。
ただこの病院も、タミフルを第一選択としている時点でどうかと思いますが…。

1年以上前に、WHOではタミフルは「必須医薬品」リストで「保健システムに最低限必要な薬」から「補足的な薬」に格下げされているのです。
理由は、「大人で症状のある期間を約1日短縮するだけで、入院や合併症を減らす効果はないとの研究が発表されるなど、以前考えられていたよりも効果は限定的との報告が出たため」とのことです。
そんなタミフルを、日本は世界消費量の75%を占めているのです。
全世界で日本だけがのほほんと安易にタミフルを消費し続けているのです。

タミフルには異常行動の副作用も気になりますが、
御用学者は「インフルエンザにかかっただけで異常行動はでる」と言い続け、
この前の8月にはそれまで使用を差し控えていた10代への投与を厚労省が認めてしました。

ちなみに、タミフルは他の薬剤と比べて異常行動は16倍多いというデータがあります。
御用学者さんがおっしゃるように、インフルエンザにかかっただけで異常行動がでるとは思えませんが…。
それならなぜ今まで問題にならなかったのでしょうか??
タミフルは2001年に日本で発売されましたが、それ以前にインフルエンザに罹患しただけで今ほど異常行動など問題になっていたのでしょうか??

高齢者などではうまく吸入ができないケースもあるため内服に頼らざるを得ないケースもありますが、もともと体力のある方は漢方薬の麻黄湯がおすすめです。
あるいは予防目的では漢方薬では補中益気湯がおすすめですし、
栄養でいえば、ビタミンD亜鉛の十分量の摂取が風邪・インフルエンザ予防に効果的と思われます。

亜鉛による精神症状改善例

亜鉛によって精神症状が改善する例は多くあります。
前回に引き続き、その例をいくつか挙げたいと思います。

まずひとつは80代女性の例です。
この方は、病名としては明らかな認知症ではなく、どちらかといえば統合失調症様の方です。
ちなみにご兄弟には統合失調症の方がいました。
ちなみに、精神疾患を含め種々の病気は確かに発症のしやすさは遺伝する部分もあります。
しかし必ずしも病気が発症するというわけではありません。
環境や食生活などによって、後天的に遺伝子のオン・オフがコントロールされます。
これをエピジェネティクスといいます。

話がそれました。
この方は診察中はほとんど目を合わせることもなく、診察が終わるとそそくさと勝手に立ち上がって帰ってしまっていました。
こちらからの質問には答えるものの、自分からは決して体調について話すことはありませんでした。
この方に亜鉛補充を開始したところ、次の診察では明らかに様子が変わりました。
診察が終わってもちゃんと椅子に腰掛けているし、体調について気になるところを自分からしっかりと訴えるようになったのです。
そして、看護師さんに対してニコッと微笑みかけるようにもなりました。
明らかに社交性が改善された例です。

次は99歳の女性です。
施設に入居されており、夜中に不穏になることが多く、仕方なしに睡眠導入剤や少量の抗精神病薬を使用していました。
なんとかこれらの睡眠薬や抗精神病薬を減量・中止できないかと虎視眈々と狙っていました。
この方に亜鉛を補給したところ、睡眠薬を依存性のないものに変更することができ、精神病薬も少しだけですが減量できてきています。
それよりなによりびっくりしたのが、小説を読み始めるようになったのです(普通の文庫本の小説です)。
何がそうさせたのかは不明ですが、当時処方薬で目立った変更は亜鉛の補充だけです。
亜鉛は脳機能にも関係していますから、何か良い刺激となったのでしょう。
ちなみにカルテを見返すと、亜鉛補充を開始して1ヶ月後くらいには「明らかに覚醒状態がよくなった」と記載しており、
2ヶ月後くらいのカルテには「明らかに脳機能が回復してきている」と書いていました。
夜間の不穏は完全にゼロというわけではありませんが、以前に比べれば明らかに頻度も減ってきています。

次は80代の男性です。
うつ症状が強くあり、当初内科からもスタチン系のコレステロール薬や降圧薬などがありました。
一人になるのが不安で、その不安の強さが尋常でないほどで、ご家族の負担がかなり強い状況でした。
それこそ共倒れになりかねない状況でした。
まず内科系の薬を整理し、前胃で処方されていた抗不安薬や精神病薬も整理していきました。
抗不安薬の中には、逆に不安を増強させてしまうものもあります。
この方は診断がとても難しく、ピック病のような症状もありました。
しかし典型的なピックという感じでもなく、かなり処方も迷いました。
種々の精神病薬を試してみるもどれも効果はいまいちで、あるときの採血で著明な亜鉛欠乏・銅過剰が判明しました。
亜鉛補充を開始して1ヶ月近くになっても明らかな改善傾向は見えず、仕方なしにエビリファイという抗精神病薬を少量で使用しました。
そうしたところ、突然元気にやる気が復活し、自分から外出しようと言うまでになりました。
ご家族で久しぶりに外食されたようです。
いきなり長時間外出してしまい疲れたのか、また精神症状が安定しなくなってしまいました。
エビリファイの量を調整し、現在は以前ご家族を悩ませていた症状もほとんどなく過ごせています。
今は逆にエビリファイが効きすぎてしまっているようで、現在極少量に減量しているところです。

自分としてはなるべく抗精神病薬で眠気を強く出してしまったりすることは避けたいと考えています。
なぜなら寝たきりの原因にもなってしまいますし、それに伴い筋力が低下していってしまいます。
眠気や神経伝達物質のアンバランスなどによって脳機能も落ちてきてしまいます。
しかし今回のケースでは、御家族と十分話し合い、とにかく御家族の負担軽減を優先して一時的にということで抗精神病薬を使用しました。
実は、すでに家族の方が限界を超えている状況で、精神科入院も検討したいとおっしゃっていたところでした。
間一髪で入院をまぬがれました。

この方は亜鉛が効いたのかははっきりしません。
亜鉛補充をして1ヶ月目と、エビリファイの処方が重なってしまったからです。
しかし現在エビリファイが極少量でも落ち着いているということは、亜鉛も多少なりとも効果あったのでないかと思います。
いずれエビリファイも中止してみたいと思っているので、そのときにまたはっきりするでしょう。

ちなみにこの方、コレステロールの薬をやめてもまったく血液検査は問題ないですし、
現在は血圧の薬もやめていますが、血圧も問題ありません。
スタチン系の薬は、ホルモンの原料はなくなるわ、細胞の原料はなくなるわ、エネルギーの元になるCoQ10は欠乏させるわでうつ病や認知症のリスクになります。
目立った副作用が目に見えて出てくることはまれですが、確実に細胞の代謝は落ちており、見えないところで確実に体をむしばんでいます。
過度な降圧も、脳血流が低下するためにうつ症状や認知症の症状を発生させる原因になります。
不必要な薬は決して飲むべきではありません。

 

うつ病や統合失調症、自閉症、ADHDにいたるまで、亜鉛と銅のバランスが関係しているケースが多々あります。
もちろん亜鉛と銅の問題だけではありませんが。

例えばうつ病ひとつとっても、うつ病というのは原因がひとつではありませんし、
治療法もひとつではありません
何でもかんでもSSRIという薬で治るわけではありません。
どのタイプのうつ病かを見極めて、それにあった治療を行う必要があります。

SSRIが合わないうつ病というのは確実にあります。
そのような人がSSRIを飲み続けることによって狂暴性が増したり(アメリカの銃乱射事件や、日本でのハイジャック事件など)、
自殺してしまったりするのです。
患者さんは真面目な人が多いですから、良くならないなぁと思いながらも、処方された薬を飲み続けてしまうんですね。
これは医者が気づくべきであり、効いていないと思ったら薬を増量するのではなく中止するべきなのです。
もちろん患者さん自身からも訴えることができれば良いのですが、医者に訴える元気や気力すらなくなっている場合が多いのです。
なぜ効いてもいない薬を何年も出し続けるのか理解に苦しみます。
抗うつ薬は一度長く飲み始めてしまうと減量・中止するのに時間がかかります。
本当に間違って出されたSSRIほどやっかいなものはありません

話がまた脱線してしまいました。

結論は、精神疾患でさえも
薬だけが治療ではない、栄養でも改善できる例はあるということです。

亜鉛と精神症状

亜鉛欠乏の症状というと

・味覚障害
・皮膚炎
・口内炎
・風邪をひきやすい
・脱毛
・傷が治りにくい
・脱毛

をあげる方が多いかと思います。

しかしそれ以上に重要なのが、

精神への作用

です。

血液検査で亜鉛を確認すると、亜鉛不足の多さにびっくりします。
ほぼすべての人が十分亜鉛が足りているとは言えません。

特に、不安やうつ傾向、妄想、不穏症状などの精神症状がある方は、
特に亜鉛の値が低いことが多いです。

実は、亜鉛と銅のバランスが重要なのですが、
生体内で亜鉛と銅はシーソーのような関係になっていて、
亜鉛が増えると銅が減る、亜鉛が減ると銅が増える
というようになっています。

種々の精神症状がある方は、圧倒的に
亜鉛欠乏、銅過剰
の方が多いです。

理想は
亜鉛:銅が1:1程度になることです。
できれば亜鉛÷銅の値が、0.8以上が目標です。

これまでの患者さんのデータをすべて見直してみると、
亜鉛と銅の比率が改善してくるにしたがって、精神症状が改善していました。
亜鉛:銅の比率が1:1になっている方で、精神症状の悪い方はいないと言って良いくらいです

亜鉛÷銅の数値が0.4など、極端に低い方は、すべての方に精神症状が出ているわけではありませんが、
不穏症状やうつ傾向、認知症の急激な進行などがみられるケースが多いです。
強い精神症状が出ている方は、ほぼ確実に亜鉛と銅のバランスが崩れています。

 

一つ実例をあげます。

一人は90代の女性ですが、これまで虐待されてきた経験があり、
それのストレスで自分の髪の毛をほとんどすべて自分で抜いてしまっている状況でした。
診察を開始したときは既に虐待は受けていなかったのですが、
トラウマになってしまっているのか、毎回診察のたびに虐待の話をされていました。
興奮する症状もあったようです。
恐怖やおびえも強かったです。
その頃は亜鉛と銅の重要性について気付いていませんでしたから、
まずは精神症状や不眠の改善のために、少量の抗精神病薬と眠剤を開始しました。
そして、単純に髪の毛に良いと思って、亜鉛補給も始めました。
すると、抗精神病薬や眠剤はほとんど変更していなかったのですが、
時間とともに精神症状がとても落ち着いてきました。
診察のたびにあった虐待の話やおびえなどはほとんどみられなくなっています。
そして、髪の毛を自分で抜いてしまうこともなくなり、現在ではしっかりと髪の毛が生え女性らしい髪型になっています。
抗精神病薬も少しずつ減らし、現在では驚くほどの極微量しか飲んでいません。
多分中止しても問題なさそうなくらいです。
よくよく血液データを見返してみると、亜鉛の改善とともに精神症状が安定していました。

 

進行してしまった認知症に対しては、亜鉛補給をしても認知症状が劇的に改善するというわけではありません。
しかし抗精神病薬など使わずとも困った症状などは消失する可能性はありますし、
あるいはその時点でのその人本来の脳機能を引き出せるかもしれません。
記憶を司る海馬には亜鉛が豊富にあるといわれています。
認知機能が低下する以前に、あるいは早く介入して亜鉛補給をすることにより
進行を遅らせる可能性もありそうです。

それくらい認知症患者さんでも、亜鉛補給により落ち着いて過ごされている方が多いです。

 

年齢とともに亜鉛の値は低下してくるといわれています。
原因としては胃酸分泌の低下があるかもしれません。
胃酸がしっかりと出ていないとミネラルの吸収が低下してしまいます。

いまだに医療現場では、胃酸を強力に抑える薬が処方されまくっています。
今まで、PPI(プロトンポンプ阻害剤)という強力に胃酸を抑える薬が、骨粗鬆症を引き起こすとか認知症のリスクになるといった論文が出たことがあります。
「胃薬がなぜ?」と思われるかもしれませんが、ミネラルの吸収障害を引き起こすと考えればあながち間違っていないのかもしれません。

胃酸を抑える薬を本当に必要としている人は少ないです(本気の胃潰瘍とか、強い逆流性食道炎など)。
しかし多くの人が処方され、飲み続けています。
こんなに安易に胃薬が処方され続けられている現状は、逆に病人を多く作っていると考えています。
「この胃薬を飲んだら、ミネラルが吸収しづらくなりますから注意してくださいね」なんてしっかりと説明されて処方されたことのある人はいるのでしょうか?

自分も胃がムカムカしたときは飲むこともあります。年に2~3回くらいですが。
ちなみに胃がムカムカしたときは、重曹小さじ1杯をぬるま湯などに溶かして飲むと良いです。

また亜鉛の吸収を阻害するものとして、食品添加物や、フィチン酸(米ぬか)などがあります。玄米も食べ過ぎは良くないかもしれません。
何事もそうですが、極端すぎる食事は良くありません。
○○健康法が良いと聞くと、極端にそれに走ってしまう方がいます。
「バランス良く」が大切です。

 

認知症の周辺症状や、不安、うつ症状となると、すぐに抗精神病薬や抗不安薬、抗うつ薬などが処方されてしまいます。

しかしその前に亜鉛と銅のバランスを確認する価値は十分あります。
ひょっとしたら副作用の多い抗精神病薬を使わずとも治療できる可能性があります。

自分も認知症で周辺症状がある患者さんには、仕方なく抗精神病薬を使ってきました。
家族やスタッフに強い負担がかかってしまうため、困った症状はしっかりと落ち着かせなければならないからです。
しかし抗精神病薬は脳機能も少なからず低下させてしまいます
認知機能維持も目指したいのに、認知機能低下を引き起こす抗精神病薬を使わなければならない…というジレンマがありました。
なるべくなら抗精神病薬は使いたくありません。

亜鉛と銅のバランスが良い患者さんは、ほぼすべての方が抗精神病薬を飲まないですんでいます
飲んでいるとしても極微量で、通常の何十分の一とかのレベルです。

精神科や心療内科で亜鉛測定するようにしたらとても良いことだと思うのですが…。
認知症診療でも亜鉛測定が広まれば良いと思います。
これによって抗精神病薬や抗うつ薬、抗不安薬の使用が最低限まで減らせ、薬漬け医療が改善されると思います

もちろん、不安・不穏症状やうつ症状などは、鉄欠乏やビタミンB6の欠乏などでもおこることがあります。
決して亜鉛だけが原因ということではありません。
栄養全体を確認してくれる病院・クリニックに受診することをお勧めします。
また亜鉛は比較的安全域は高いのですが、過剰になりすぎないように、補給を開始したら定期的に血液検査で確認することが必要です。

亜鉛はメリットがとてもたくさんあるミネラルです。
風邪予防にもなるし、子供の成長にも必須です。
アトピー性皮膚炎の治療にもかかせません。
水銀などの重金属の解毒効果もあります。

一度自分の亜鉛濃度を測定する価値はあります。

自宅か施設か

ご両親が高齢になり、認知機能低下が進んだ、介護量が増えたとなると、
施設に入れた方がいいか迷うときがくると思います。

しかし世の中の風潮で、なぜか
「ずっと住み慣れた自宅で過ごした方がいい」
「施設に入れるのは親を捨てること」
と、思い込まれている節があります。

しかし本当にそうなのでしょうか?

確かに、できるなら住み慣れた自宅で過ごすことが本人にとっては良いことでしょう。
ヘルパーさんやデイサービスなどの種々の介護サービスを利用して、自宅で過ごす方法もあります。

しかし介護するのは中年世代に当たる人が多く、その方たちはもちろん仕事があります。
24時間つきっきりで介護ができるわけではありません。
介護度によっても毎日デイサービスにいけるわけではなく、日中、両親を一人だけにしなければならない時間帯も出てきます。

あるいは一人暮らしの方もいます。
ご家族は近所に住んでいたり、遠方に住んでいたり、いろいろなケースがありますが、この場合も一人の時間がほとんどです。

 

最近経験したケースでは、80代の女性ですが、若いころからとても働き者の方だったようです。
娘さん夫婦と同居しており、デイサービスももちろん利用していましたが、一人になってしまう時間もあります。
この方は、内服薬を変更することにより動きもとても良くなり、問いかけに対する反応も素早いくらいになりました。
しかし、一人でいると手持ち無沙汰になってしまうようで、おかしな行動が出てきてしまいます。
何かせずにはいられない様子で、そわそわしてしまいます。
その方は施設に入居することになったのですが、そこでは洗濯物をたたんだり、
他の入居者の食事を手伝ったりと、いろいろと役割を与えられ生き生きと過ごしているようです。
ADLが良くなったし、このまま自宅で過ごせることができるかなと思いましたが、
この方にとっては施設の方が合っていたんだなと思いました。

もう一人のケースは70代の女性ですが、一人暮らしをされていました。
近所にご家族が住んでおり、ご家族もとても献身的にサポートされていました。
しかしやはり一人の時間が多く、うつっぽくなってしまうことも多かったです。
うつ症状に対する治療もおこなってみましたが、どれもパッとせず、物忘れも進行し、そのうち施設に入居されました。
施設に入居後の初めての外来診察の時、表情はとても明るくなり生き生きとしていました。
その方もADLは良好で、洗い物や洗濯物をたたんだり、いろいろとお手伝いをしているようです。
あたかもスタッフの一員のように。
長谷川式簡易知能評価スケールという、認知機能を評価する質問があるのですが、
驚いたことにこのテストの点数も回復していました。
この方は認知症の薬も必要はなく、今は脳機能をサポートする栄養だけで治療を継続しています。

 

認知症予防には「コミュニケーション」が大切だと言われています。
施設でいろいろな人と常にふれあうという環境が良いのかもしれません。
良い刺激になるのだと思います。

しかしみんながみんな、人とふれあうことが好きなわけではありません。
一人が好きという方もいますし、そのような方を強引に施設に入居させてしまうと
逆にストレスになってしまいます。
また施設の雰囲気にもよると思いますが、特に社会的地位が高かった方などは
施設になじめないケースが多いように思います。

自宅でずっと過ごすことが良いのかもしれません。
しかし「自宅でみていく」というのが、あまりにも美しく語られすぎているように思います
家族には家族の事情もあり、生活もあります。
たとえ種々のサービスを利用したとしても、家族には大きな負担がかかります。
親を施設に入れることに強い罪悪感を感じてしまうご家族がいます。
負担を負担と思わないならば良いのですが、家族の方が倒れてしまったら、どうにもなりません。
世間の目を気にしすぎてはいけません。

あるいは親孝行したいから…との強い気持ちで、自宅で頑張っている方もいるでしょう。
しかし上記の例のように、施設の方が合っているケースもあります。
家族の「親孝行したい」という気持ち(一方では素晴らしい気持ち、一方では独りよがりな気持ち)で自宅に引き留めておくより、施設に入ってもらった方が良いこともあるのです。

自分もこれまで自宅の方がいいと思い込んでいました。
しかし上記の経験をして、施設が良いケースもあるんだなと気づかされました。

決して施設に入れることが悪ということではありません。
(ただし施設選びは慎重に…)

ただ当クリニックでは、基本は、なるべく自宅で家族と一緒に「穏やかに」過ごせることができるように治療を考えています。